なぜライブ中にスマホをいじるのは悪いのことなのか?

音楽

先日、Novelbrightのボーカル竹中雄大のX(旧Twitter)での投稿が話題になっていた。

最高の日やったけど1つ残念なことが。
上手3列目に居た女子2人組、ライブ中最初から最後までずっと座って下向いて携帯触ってて、普通に見る気無いなら外出ろやって思った。たまに触るくらいやったらまだマシやけど、流石に前すぎて目立つし目障りやから。それはシンプルにムカつきましたね。

簡単に言うと「ライブ中にスマホを見るな」という投稿だ。
今回に限らず、しばしば話題になることでもなる。

これについて俺が思うことを書いていく。
竹中雄大の意図とは違うだろうし、あくまでも俺が思っていることなので悪しからず。

(そもそも竹中雄大はしばしば炎上しているような気もするし、言い方にトゲがありすぎるけど、それはさておきww)

ライブ中にスマホをいじっている客がいた

事の顛末を簡単におさらいすると…。

ライブイベントは「めざましテレビ30周年フェスin東京」であり、おそらくいろんなジャンルのアーティストが出演している。
つまり、自分のお目当ての他に興味のないアーティストも多く出演している可能性が高いわけだ。

そのイベントにおいて、Novelbrightの出演時に前方でライブを観ないでスマホをいじっていた客がいたということだ。
それに対して竹中雄大が”お気持ち表明”した形である。

この件はヤフーニュースにもなっていた。

Yahoo!ニュース
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ユーザーの間では賛否が分かれているようで、記事から抜粋すると…。

竹中雄大の発言に対してポジティブな意見は…。

「対バンで知るバンド沢山あります。お気に入りも増えていくし、下向いてたらほんと勿体ないですね~」
「アーティストに対して失礼すぎる態度。近くでNovelbrightの音楽と雄大くんの歌声聴けるだけで贅沢で幸せすぎるのになぁ~」
「これ本当アーティストにも他の客にも失礼で最悪。フェスだからとか関係ないよ。本人の目に入りやすい前方の席でそれは本当に最悪」

竹中雄大の発言に対してネガティブな意見は…。

「自分の単独でもないフェスでなんでアーティストのご機嫌取りしなきゃいけないんだ 曲が魅力ないから携帯いじりされてたんでしょ 金払ってるの客なんだし外出ろとか言われる筋合いもない……」
「これをステージに立つ側の人が、SNSで言っちゃうのも怖いなぁ しかも何列目とかまで言っちゃって…」
「言ってることはわからんでもないけど言い方もうちょい何とかならんかったんか。たった2人の気に食わない客の為に要らん敵作る必要あったのかって思う」

どちらもなるほどな、という感じだろうか。

意外と多いライブ中のスマホいじり

「ライブ中にスマホをいじってる」という件は、しばしば見たり聞いたりする。

例えば、地下アイドル界隈は顕著で、お目当て以外に興味がない人がそれなりにいるようだ。
俺も実際にスマホをいじってる客に出くわしたことがある。
しかも、信じられないことにガッツリとYouTubeを観ていた。
地下アイドル界隈では、最前で場所を取りつつスマホを見てる客もいるらしいから怖いもんだ。

地下アイドルだから民度が低いんだろう、と思っていたがそうでもない。
メジャーバンドも出てるようなイベントでもスマホを見てる客がいた。
若い客だったので、子どものころからスマホに触れてる世代はそうなのかもしれないな、とも思った。

そういうことがあるたびに、周りの客やアーティスト本人がSNSでお気持ち表明してしまうわけだ。
逆に言うとそれは氷山の一角で、実際にはもっとライブ中のスマホいじりが蔓延しているのかもしれない。

原則としてライブの観方は自由である

この歩きスマホならぬ“ライブスマホ”は概ね「悪」とされている。

その多くが「アーティストに対して失礼」という論調だ。
そこには、ちゃんと観てない、という意味も含まれていると思われる。

俺も「悪」だとは思っているが、「アーティストに対して失礼だから」ということには疑問が残る。

アーティストに対して失礼というのはかなり曖昧だ。
例えば、みんなが腕を上げてるのに1人だけ腕を上げていなかったら失礼なのだろうか。
なんでもかんでも失礼だからと言って同調させることには気持ち悪さを感じてしまう。

はっきり言ってしまうと、興味がないものにはどうあがいても興味がない。
興味がないないものを無理やり楽しませることもまた「悪」だと思う。
だから、興味がなくてスマホを見てるのは失礼、という理屈には納得がいかないのだ。

竹中雄大も続くポストでは、少なくとも表向きは自身の力の無さを反省している。

まあ顔を上げさせることができなかった僕の実力不足なのかもしれませんが。悔しいけど頑張ります。

ちなみに俺はNovelbrightのライブを観たことがある。
まさに他にも対バンがあるイベントだったが、圧倒的な歌唱力があって感心しながら観ていた。
(路上ライブも観たことがあり、他のストリートミュージシャンとのレベルの違いを見せつけられた感じがした)

極端なことを言ってしまうと、本来ライブは個々人がどう観ようが自由であるはずだ。
個人的につまらないと思うライブを無理に観ることほどつまらないことはない。
対バン全てを同じモチベーションで楽しめる方が稀である。

だから、お金を払ってるのにもったいないという論調も的外れで、もったいないかどうかを決めるのはあくまでも本人である。
(俺もなるべくいろいろ観たい派だからもったいないとは思ってる。)

ライブスマホは「邪魔」である

ではなぜ、俺がライブスマホを「悪」だと思うかというと…。

俺がライブを観るのに邪魔だから

である。

「俺が」と書いたが、厳密に言うと、要は「他の客が観るのに邪魔になるから」だ。

基本的にライブ中というのはステージが照明で照らされていて客席は暗い。
その中で、前の客がスマホを見ていたらけっこう眩しいものだ。
(おそらくステージから見たら、その客の顔が照らされているんだろう。)

俺はそれがけっこう気になってしまうわけだ。

その客がライブを観ないのは勝手だが、他の客がライブを観ることを邪魔してはならない。
逆に言えば、誰の邪魔や迷惑にならないのならば、スマホを見てても良い気がする。
例えば、最後列で隣に誰もいなかったらほぼ迷惑になることはないだろう。

要は、映画館と同じ原理だ。
映画館で上映中にスマホを見ていたらどうだろうか。
映画がつまらないから仕方ないと思うよりも、周りの客に迷惑だからやめろ、というのはわかりやすいだろう。

だからライブスマホも、「アーティストに対して失礼」ではなくて「周りの客に対して迷惑」という観点で考えればすごくシンプルだと思う。

スマホをいじってても許される場合

しかし、ライブスマホが許される場面もある。
それは例えば「撮影OK」の場合である。

最近(2024年3月現在)は、ライブ中に動画撮影OKにしているバンドも多い。
例えば、俺が知っているところではヤバイTシャツ屋さんやHakubiなどが1曲だけ撮影OKにしていたりする。
バックドロップシンデレラに至っては全曲動画撮影OKだ。
超大物のLUNA SEAですら静止画の撮影を許可している。

これは迷惑なのではなくて、そもそもアーティストがSNSでの拡散を狙ってやっていることだ。
言い方を変えれば、ライブの演出として成り立っているのである。
あとは、スマホライトなんかもそうだろう。

でも、基本的にはライブを観ることに集中してもらいたいはずなので、宣伝のために1曲だけ撮影可というのはかなり理に適っていると思う。

それについて迷惑だと思うのは、そもそもそのライブに向いていないということでもある。

これを書いててふと思ったことがある。
ライブスマホってただスマホを見てるだけじゃなくて、禁止されてんのにこっそり撮影や録音してる可能性もあるな…。
そういう点においてもライブスマホは良くないと言える。

スマホを使う必要に迫られている場合

ライブスマホの話をしていると、反論も出てくるだろう。

例えば「タイムテーブルや終電の時間を調べるのにスマホを見たい」という意見だ。

いや、それは転換時間中や事前に調べとけよ…。

と思うが、どうしてもライブ中に調べないといけないこともある。
あるいは会社や家族からの緊急の連絡もあるかもしれない。
スタンディングの時に友人と合流するために連絡してる、ということも考えられる。

でも、そもそも上記の竹中雄大が発信している件は、もっと明らかに「興味がないからずっとスマホを見てる」みたいな場合だ。

俺もそのつもりで書いてるので、「緊急的な例外についてはその限りではない」ということは留意していただきたい。
そういった意味でも、例えば「スマホの持ち込みを禁止にする」みたいな極端な施策は望ましくないわけだな。

ライブのマナーを考える上で大事なこと

いわゆるライブのマナーというのは非常に曖昧だ。

でも、「周りの迷惑になるようなことはしない」というだけでもわかりやすくなると思う。
当たり前のことではあるが、それもまた曖昧だ。

何が正解かもわからないが、少なくとも自分の中で正しいと思うことを信じるしかない。
スマホを見ていた人たちも、それが悪いことだとは思ってないからそうしていたんだろう。

別に俺は正義を振りかざしたいわけじゃないし、自分が正義だとも思わない。

でも、少なくとも「俺がライブを観るのを邪魔すんな」という信念だけはある。
そう書くと自分勝手なように思うかもしれないが、限りなく一般的で、誰しもが思ってることだではなかろうか。

自分のマナーを見返すときも、それが1つの基準になるかもしれない。

ライブのマナーというのものは、現場や時代によっても変わる。
常に考えを更新し続けなければならない。

自分が行ってないライブについてごちゃごちゃ言うのもなんだが…。

人それぞれいろんな考えがあるのは承知の上で、全ての現場が全ての人にとって快適な空間であるように願っている。

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